
トランプ大統領が相手国の報復措置に「対抗」するという方針を明らかにしただけに、相手国の報復に再び報復する悪循環が予想される。 これだけでなく鉄鋼·アルミニウムに対する関税(3月12日)、相互関税(4月2日)など関税賦課日程が相次いで予定されている。 ここにトランプ大統領が関税賦課対象品目を「いきなり」追加することも続いている。
当初、トランプ大統領は先月4日からカナダ·メキシコに25%の関税を適用し、中国に10%ポイントの追加関税を課すと発表した。 だが、カナダとメキシコが不法移民·麻薬取り締まりなどのための国境安保強化に協力することにするとトランプ大統領は両国に対する25%関税賦課を1ヶ月猶予した。 中国を対象に先月4日、10%ポイントの追加関税賦課を発効させた。
米国の3大貿易相手国であるカナダ·メキシコ·中国は2022年基準で米国全体輸入製品(価値)の45%(3兆ドル)以上を占めている。 米国·メキシコ·カナダ協定(USMCA)により大部分が無関税でなされた米国とカナダ、メキシコの「三角貿易」は事実上作動が止まるものと見られる。 ウォールストリートジャーナル(WSJ)は「トランプ大統領が両国に25%関税を賦課することにし、両国経済はグローバル金融危機とパンデミックに匹敵するストレステストに直面している」と診断した。
「報復の悪循環」は幕を開けた。 カナダは米国の輸入品に報復関税を課すことにした。 ロイター通信によると、カナダのジャスティン·トルドー首相は3日、声明で「米国の関税が発効される4日から、カナダも300億カナダドル(約30兆ウォン)規模の米国輸入品に25%の報復関税を課す」と明らかにした。 また、21日以内に1250億カナダドル(約125兆ウォン)規模の報復関税が追加で適用されると強調した。 すでにシナリオ別に計画を立てているメキシコも対応策を検討している。 メキシコのクラウディア·シェインバウム大統領は「プランAからDまで、いかなる場合でも備えることができる方案を用意した」と明らかにした。
関税戦争の戦線はさらに拡大する見通しだ。 トランプ大統領は先月26日、欧州連合(EU)製品に25%の関税を課すという方針を明らかにしている。 品目別関税、相互関税などの賦課も相次いで予告した。 相互関税は事実上、全世界のすべての国が対象であり、相手国の関税はもちろん、非関税障壁まで考慮して関税を賦課するという概念だ。 特に非関税障壁を「数値化」する過程で多くの論難が起きる可能性が大きい。 この日トランプ大統領は自身のSNSトゥルースソーシャルに「4月2日から外国農産物に関税が賦課されるだろう」と明らかにした。 木材と銅に対する関税賦課方針に続き、わずか数日で対象品目がまた増えたわけだ。 この中でトランプ大統領は米国とアルゼンチン間の自由貿易協定(FTA)に肯定的認識を表わすなど一貫性のない行動を見せている。 トランプ大統領はこの日、「我々はアルゼンチンとFTAを締結することを考慮する」と述べた。 一方では関税賦課で脅かし、もう一方ではFTAを論じるわけだ。
[ワシントン特派員チェ·スンジン]