
建物に入るやいなや、ほのかなハッカの香りがした。 誰もが「パスを作るところだな」と思うほどだった。 議政葛藤で多くの製薬会社が困難に陥っているが、この工場は活気に満ちて回る雰囲気だった。 世宗工場の生産を総括するイ·ジョンミン専務は「2020年の初稼動以後、職員が30%ほど増え、生産量も昨年に比べて5%程度増加した」として「パスは病院に行かなくても着実に購入する製品であるため、議政葛藤の影響がほとんどない」と話した。
彼はまた「パス生産ラインは現在大部分100%稼動しており、軟膏剤などはラインを増設するなど追加的な生産拡大計画を持っている」と付け加えた。 200人余りが勤務中だが、1週間に3日は夜8時まで夜勤をしなければならないほど生産量が多い。 実際、シンシン製薬のパス売上は2021年442億ウォンから昨年589億ウォンへと3年ぶりに約33%上昇し、堅調な姿を見せた。
工場内部に入るためには、防塵服と防塵帽を着用しなければならない。 半導体工場に入る時のように徹底的に管理しており、小さなほこり一つ見つけることができなかった。 入口で振動していたハッカの香りはさらに強くなったが、ハッカ油、サリチル酸メチル(痛み治療物質)など国内と海外(インド·中国など)で買ってきた原料をゴムと一緒に混ぜる作業のためだ。 イ専務は「他のライバル会社とは異なり天然ゴムを添加するため、肌にやさしいというのが最も大きな特徴」と説明した。
ゴムと混ざったパスの原料は、粘り気のある固体の塊になる。 ここに熱を加えながら生地(不織布)にコーティングをすれば、巨大な湿布の形が作られる。 これを切断機に入れて切った後、包装すれば消費者が薬局で購入するパスのような商品になる。 イ専務は「代表製品である『アレックス』は70万枚、貼る湿布全体で見れば計140万枚が一日に生産される」と話した。
シンシン製薬は昨年、肌トラブルを最大限減らした「フレックス」という新製品を出した。 記者の手に直接フレックスパスを貼ったり剥がしたりしたイ専務は「密着布を使わなくても接着力が強く数回貼って剥がせる。 来月からテレビ広告を流し、本格的な販売に乗り出す予定だ」と明らかにした。
会社から500億ウォンを投資したシンシン製薬世宗工場は最新設備を備えている。 会社側によると、エアロゾル医薬品(撒く医薬品)生産関連食品医薬品安全処の製造·品質管理基準(GMP)認証を受けた工場は国内でここが唯一だ。
最近は輸出物量も増える雰囲気だ。 イ専務は「米国とヨーロッパ、東南アジア、中東、ウズベキスタンなど全世界40ヶ国余りに販売している」とし「2023年基準で全体の中で13%程度が輸出関連売上」と説明した。
地域社会のためのボランティア活動にも積極的だ。 イ専務は「地域の高齢者に毎年健康機能食品とパス·バンドなどの医薬品を寄付し、青少年のための工場見学プログラムも運営している」と話した。 このような功労でシンシン製薬は昨年末、世宗特別自治市が選んだ「2024世宗市企業大賞」に選ばれもした。
[世宗パク·ジュンヒョン記者]