慶尚北道地域を中心に発生した大規模な山火事被害が国家的災難水準を越えた。 千年の古刹と農家が灰に変わった姿を見ると、惨憺たる気持ちになる。 人命と財産の被害も急激に増加している。 被害復旧のための補正予算の編成が急がれる。 にもかかわらず、与野党は神経戦を繰り広げながら時間だけを浪費している。 度を越した無責任な態度を国民はこれ以上容認しないだろう。

27日基準で山火事による死亡者は27人を越え、山林被害面積も歴代最大規模を越えた。 被害規模が増え続け、正確な被害額の推算さえ難しいのが実情だ。 問題は政府と政界の対応速度だ。 災害復旧は時間が遅れるほど費用が幾何級数的に増加する。 緊急支援が遅れれば、住民の生活苦が深刻化し、これは国民的不信と政治的負担につながるだろう。 したがって、被害復旧予算確保のための迅速な補正予算編成は必須だ。 与野党いずれも補正予算の必要性には共感しながらも、政争にだけ没頭している。 特に野党は昨年の予算編成過程で災難予備費を約2兆ウォン削減した。 近視眼的判断で厳重な批判を受けて当然だ。 気候変動による自然災害が頻繁になる状況で、国民の安全を軽視した無責任な決定だった。 政界はこれ以上消耗的な論争を続けるのではなく、直ちに補正予算の議論に乗り出さなければならない。

現在、避難所に滞在している高齢の被災者たちは、劣悪な環境で健康悪化の危険にさらされている。 家屋が全焼し、電気や水道すら断たれた被災者数も相当だ。 林野や果樹園、農耕地の被害で生計が脅かされる住民は数え切れないほど多い。 主要観光地であるお寺などの消失で地域の小商工人と自営業者も厳しい状況に直面している。

今回の山火事被害は単純な自然災害を越えた国家的危機状況だ。 迅速かつ効果的な対処が行われなければ、被害はさらに拡大せざるを得ない。 政界は政争を中断し、被害国民の生命と財産保護に全力を尽くさなければならない。 迅速な補正予算の編成と執行を通じて、被害地域住民の苦痛を早く治癒することを切に願う。